【韓国お薬情報】コンビニのお薬 / 安全常備医薬品とは?種類&注意事項

お薬

今回は韓国の市販薬である「안전상비의약품(安全常備医薬品)」についてご紹介します。

韓国の医薬品の分類

まず韓国の医薬品には大きく分けてこれらがあります。

  • 전문의약품 (専門医薬品):医師や歯科医師の処方(処方箋)を以て購入することのできるお薬
  • 일반의약품 (一般医薬品):処方箋なしで購入できる市販のお薬 

 

※외약외품(医薬外品)というものもありますが、これについては別の記事でご紹介します!

今回のテーマである안전상비의약품(安全常備医薬品)は下の 「一般医薬品」に該当し, 処方箋なしで購入の出来るお薬のうち, スーパーコンビニで販売されているお薬のことを指します。

안전상비의약품(安全常備医薬品) : 軽い症状に急を要する際に使用され, 患者自らの判断で使用出来るものであり, 該当する品目の成分・副作用・含量・剤形・認知度・購買便宜性などを考慮し保健福祉部*が定め告示した医薬品。

24時間,年中無休であるところでのみ販売可能。

*保健福祉部(보건복지부): 韓国の行政機関で保健衛生・防疫・医政・薬政・生活保護・社会保障・児童乳幼児教育・老人並びに障害者に関する業務を管轄する機関。

参考: 보건복지부 http://www.mohw.go.kr


 

안전상비의약품は, 略して「(家庭用) 안전상비약(安全常備薬)」や「편의점 비상약(コンビニ非常薬)」などの通称名でも呼ばれています。

コンビニやスーパーで販売することのできる薬の種類は法律(薬事法第44条の2/行政規則)で定められており, 現在のところ鎮痛剤(진통제)/解熱剤(해열제)や総合風邪薬(종합감기약)消化剤(소화제)貼り薬(파스)に限られています 。

薬局でももちろん購入できます(※場所により置いている商品の差はあります)。

안전상비의약품(安全常備医薬品)の種類と購入時の注意事項

安全常備医薬品の種類

今現在, どのようなお薬が안전상비의약품として登録されているのかを具体的にご紹介します。

解熱鎮痛剤 (해열진통제)

1. 어린이용타이레놀정 80밀리그람(10정)/Children’s Tylenol Tab.: 子供用タイレノール錠80mg/10錠

2. 타이레놀정 160밀리그람(8정)/Tylenol Tab.: タイレノール錠160mg/8錠

3. 타이레놀정 500밀리그람(8정)/Tylenol Tab.: タイレノール錠500mg/8錠

4. 어린이타이레놀현탁액 100미리그람/Children’s Tylenol Suspension: 子供用タイレノール懸濁液 100mg

5. 어린이부루펜시럽 80미리그람/Brufen Syrup for Children: 子供用ブルフェンシロップ80mg

総合風邪薬 (종합감기약)

6. 판콜에이내복액 30미리그람(3병)/Pancol A Sol.: パンコールA 内服液 30mg ×3瓶

7. 판피린티정(3정)/Panpyrin-T Tab.: パンピリン錠 3錠

消化剤 (소화제)

8. 베아제정(3정)/Bearse tab.: ベアーゼ錠 3錠

9. 닥터베아제정(3정)/Dr. Bearse Tab.: ドクターベアーゼ錠 3錠

10. 훼스탈골드정(6정)/Festal Gold tab.: フェスタルゴールド錠 6錠

11. 훼스탈플러스정(6정)/Festal Plus Tablet: フェスタルプラス錠 6錠

貼り薬 (파스)

12. 신신파스아렉스(4매)/Sinsin Pas RX:シンシンパースアレックス 4枚

13. 제일쿨파프 대/중 (4매)/Jeil Cool Pap: ジェイルクールパップ (大/中) 4枚

参考:네이버 의약품 사전

※日本語訳の薬名は任意。カッコ内の数字は1箱(包装単位)当たりに入っている錠剤個数。

これら13品目となります。

貼り薬 (파스)は筋肉痛や関節痛などに使うものです。

錠剤タイプに関してはPTP包装(錠剤やカプセル剤が一つずつアルミなどで包まれているタイプ/단위 포장)となっています。

下の写真のように、これらのお薬の外部包装には成分や効能, 用法・用量の説明の上に「일반(안전상비)의약품 정보」という表記が入っています!

購入時の注意事項

実際に韓国のCUGS25などのコンビニチェーン店に行くとこのように安全常備医薬品のコーナーが設けてあります。取扱い店舗には入り口にも金額の表示があるところもありますね。

購入する際には、

  • 12歳未満の児童, 小学生は保護者の同伴なしでの購入不可
  • 1回に購入できる個数は1品目当たり1個(包装単位)まで (同じ物を2つ購入×)

となっており、販売者もこれらの事項を順守する必要があります。

コンビニやスーパーでは安全常備医薬品以外にも冒頭で言及した内服薬ではない医薬外品という分類に該当するものも扱われています。

  • 軟膏(연고): 塗るとフィルム膜ができて傷を保護するタイプや100%天然植物成分のもの等で抗生剤の入っていないもの
  • 絆創膏(반창고/通称밴드):防水タイプなども
  • 消毒液:過酸化水素水(과산화수소수)や消毒用エタノール(소독용에탄올)
  • スプレー式鎮痛剤:筋肉痛やひねった部位,打ち身などに使うエアロゾルタイプ
  • うがい薬
  • コンタクトレンズ洗浄液 など

医療機器に分類される「妊娠検査薬(임신테스트기/略임테기), 避妊用具(피임기구/콘돔)」などが置いてあるところもあります。

医薬外品や医療機器などはインターネットで購入することができるものも多いのが現状です。

편의점 의약품 판매 '약사회 vs 편의점' 첨예한 대립 < 인사이드 < 유통 < 뉴스 < 기사본문 - 미래경제

写真引用:매일경제 

それぞれのお薬の詳細については別の記事で説明します!

안전상비의약품(安全常備医薬品)の販売制度

안전상비의약품(安全常備医薬品)の薬局外での販売の制度は、薬局が閉まっている祝日や夜の時間帯にも国民が医薬品を購入できるようにするため、2012年11月15日より法律で施行された制度です。

薬局外で安全常備医薬品を販売するには、販売者登録をしなくてはいけません。一定の基準を満たせば、店舗がある市・群・区の保健所に登録申請を行うことができます。

韓国標準産業分類による小売業を運営しており且つ24時間年中無休の店舗であることや、4時間の販売者教育を事前に修了することも条件となっています。販売者は施設・従業員の管理・監督が義務付けられています。

私がまだ薬学部生の頃の話ですが、保健所からの依頼で、大学所在地の市内で安全常備医薬品を取り扱っている店舗に直接訪問して

安全常備医薬品が正しく販売されているか?販売ルールが守られているか?等の点検・指導を行うボランティア(안전상비약 시민지킴이 활동)を行っていました。

最後に

色々と便利な点が多い安全常備医薬品ですが, デメリットとしては薬局よりもコンビニやスーパーで販売されているものの方がやや割高であることが多いです(そもそも商品自体が違う場合もある)。

また、薬剤師の服薬指導がないため誤用・乱用の可能性があります。必ず包装に書かれている用量・用法を守って服用するようにしましょう。

韓国への旅行や出張の際などにも「急に夜に熱を出してしまったけれど薬局は閉まっている!」というような場合はコンビニに置いてあるので安心できますね。

急に必要になった時に焦らないためにも常備薬として解熱鎮痛剤/風邪薬や胃腸薬, 特に子供用のお薬などは普段から何種類かストックしておくと安心かもしれません。体調を崩して薬を飲まないことが一番望ましいですが…。

PART.2では、安全常備医薬品の販売場所別価格の比較や, 具体的な薬の説明について取り上げます。

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